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研究とポリシーメーキングは,複雑な活動で互いに違ったものであるので,相互理解のためには,意識的な努力が必要とされる。したがってポリシーメーキングをより効果的に伝えるために研究者は,その土地の政治的文化について,システマティックな理解が必要である。それだけではなく,ポリシーメーカーがもつ関心,見方,優先順位についても知っていなければならない。ある研究者は,「研究からポリシーへ通じる道はリニアではない」としている。また他の研究者は,「バイアスをもっていない人々はいない」と付け加えている。ポリシーメーカーは,研究者は政治的な問題にかかわっていることについて不満をもつべきではないと主張し,「ポリシーメーカーは,とりわけ利益団体やアドボケートからの政治的妨害により,研究者に助けを求めたくなることがしばしばある」と述べている。 |
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ポリシーメーカーは研究者の知識,能力,要求を尊重することにより,相互理解の達成を助けることができる。あるポリシーメーカーは,「研究者とポリシーメーカーの,それぞれの業務を支えるために,プロセスが提示されなければならない」としている。同様に,ポリシーメーカーと研究者は,それぞれが手がける時間のフレームの違いを調整することを学ばなければならない。ある研究者は,「一つのポリシーを決めるための協力関係のプロセスで,研究者は他の重要な研究に対する理解力を深めることができ,どのように研究とポリシーを関連付けるかを学ぶことができる」としている。 |
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協力関係は,研究者とポリシーメーカー双方にとってのよい経験のもとに成り立つものである。よい経験を得るために,あるポリシーメーカーは,「作業のルールは,適切な目標と,成功についての定義を含まなければならない」としている。 |
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研究者とポリシーメーカーの効果的な協力関係は,双方のグループがポリシーの評価をするという,政策決定プロセスの後も共同作業を続けることで向上する場合が多い。政策決定には,経験が影響するものである。政策立案の間の協力関係の経験は,評価やその後の改善のために重要である。たとえば,各ケースの著者らは,ある国の経験は,他の国にあわせた翻訳なしでは伝わらないものの,作業の評価や一般化のための共同作業が,彼らにとって役に立つものであったと共感している。 |
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個人間の信頼は年月をかけて育成されるものである。ヘルスポリシー作成のプロセスは,可能な条件下ならば,ポリシーメーカーと研究者の長期間における協力関係の機会を創造し,維持させる。 |
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研究を実施するために伝えたり,特定のポリシーの効果を評価すること以外に,ヘルスポリシー作成のプロセスを改善させるための仮説を厳格に評価する必要がある。
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