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> わが国の臨床試験とそれを評価するための枠組みー2
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◆ 第3章
本邦の臨床試験の質に関する分析と考察
◇ 第1節
目的
◇ 第2節
本邦の臨床試験におけるGCP違反・逸脱
◇ 第3節
GCP査察結果の日米比較
◇ 第4節
発見された違反・逸脱の重大さ
◇ 第5節
新GCPの実施と本邦における臨床試験の質の変化
◇ 第6節
新GCP下で実施された試験のGCP調査結果
◆
文 献
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表
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第4節 発見された違反・逸脱の重大さ
第2節で説明したGCP違反・逸脱の程度・重大さについて考察する。
医薬品機構によって発見されたGCP違反・逸脱は厚生労働省に報告され,同省は違反等の深刻さ, 重大さを考慮して,最終的に当該試験に関するデータを申請資料として受け容れるかどうかを決定する。
最終的な判断の結果は定期的に報告されているわけではない。公表されているところでは, 1996年7月から1997年6月までの1年間に,18成分中3成分(17%)が「GCP不適合」, つまり査察対象となったプロトコルに関する資料の受け容れが拒絶されている
39)
39)小野俊介. GCP調査と承認審査の好ましいあり方について. 日本QA研究会会報 1998 May; 10: 77-88.
。残りの15成分については受け容れ可能と判断されているが,15成分のうち3成分については,データの一部(たとえば特定の医療機関で収集されたデータ)を削除することが資料受け容れの条件とされている。
一方,米国での査察で発見された違反の重大さについても,いくつかの文献で報じられている
26
26)Horowitz AM. Fraud and scientific misconduct in the United States. In: Lock S, Wells F, eds. Fraud and misconduct in medical research 2nd ed. London: BMJ Publishing Group; 1996.
,
34)
34)Shapiro MF, Charrow RP. Scientific misconduct in investigational drug trials. N Engl J Med 1985; 312: 731-6.
。
文献によると,1977年7月から1983年9月までに実施された964件の申請に対応してルーチンに実施される査察のうち, 重大な違反が発見されたのが11%(111件/964件),5%(50件/964件)に原因を追求するための追加査察(for-cause inspection)が実施されたとされている
34)
34)Shapiro MF, Charrow RP. Scientific misconduct in investigational drug trials. N Engl J Med 1985; 312: 731-6.
。
別の文献では,1994年の査察報告書のうち,4%について‘Official Action Indicated(OAI)’, つまり重大な違反が発見されたため警告書や追加査察が実施され,73%が‘Voluntary Action Indicated(VAI)’, つまり何らかの自発的な改善が必要とされ,残りの24%が‘No Action Indicated(NAI)’, つまり特段の対応は必要ないとされた
26)
26)Horowitz AM. Fraud and scientific misconduct in the United States. In: Lock S, Wells F, eds. Fraud and misconduct in medical research 2nd ed. London: BMJ Publishing Group; 1996.
。
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