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がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022

 

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がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022

ISBN:978-4-89775-457-4 C3047
定価3,080円(本体2,800円+税10%)

■ 編集 ■
日本腎臓学会
日本癌治療学会
日本臨床腫瘍学会
日本腎臓病薬物療法学会

A4判,168頁   ■正誤表PDFをダウンロード■
2022年10月発売

初版(2016)刊行時以降の分子標的治療薬の知見と、免疫チェックポイント阻害薬に関するCQを加えた、大増補・改訂版

(序文より)

 がん薬物療法の進歩によってがん患者の予後は著しく改善されたが,がん薬物療法に伴う多彩な腎障害は日常診療上の大きな課題として残されている。がん患者の腎機能が低下すると,その後の化学療法を受けにくくなり,生命予後やがんの完全寛解率が低下する。したがって,がん薬物療法に伴う腎障害のリスクを正しく認識し,回避することはきわめて重要である。
 本ガイドラインの初版から6年が経過し,免疫チェックポイント阻害薬や分子標的治療薬の使用機会が増えるとともに,われわれが遭遇する腎障害も大きく変化したことから,本ガイドラインを改訂することとした。初版刊行後に広く認識されたCQや,今後臨床試験が行われる見込みが少ないCQを4つのGPS(good practice statement)へと変更し,免疫チェックポイント阻害薬や分子標的治療薬に関連した新たなCQを加え,計11のCQを設定した。加えて,本領域には複数分野の医師が関与することから,背景疑問を明確に定義する目的で16の「総説」を新たに記載した。
 さらに,実用性を考慮して全体を,「第1章 がん薬物療法対象患者の腎機能評価」(治療前),「第2章 腎機能障害患者に対するがん薬物療法の適応と投与方法」(治療前),「第3章 がん薬物療法による腎障害への対策」(治療中),「第4章 がんサバイバーのCKD治療」(治療後)の4章にまとめ,がん診療の時系列に沿った構成を採用した。特に,第4章は初版には含まれていない内容だが,がんサバイバーの長期予後が改善される中,臨床的意義が大きいと考える。

■ 目次 ■

  • 序文
  • 刊行に寄せて
  • 本ガイドラインについて
  • 略語一覧
  • ガイドラインサマリー
  • 第1章 がん薬物療法対象患者の腎機能評価
    • 総説 1 がん薬物療法開始前にみられる腎障害
    • 総説 2 がん薬物療法開始前における腎機能評価
    • 総説 3 がん薬物療法開始後の腎障害の定義と評価方法
    • 総説 4 がん薬物療法開始後の腎障害の疫学と病態
    • 総説 5 がん薬物療法開始後の腎障害の危険因子
    • CQ 1 がん患者の腎機能(GFR)評価に推算式を使用することは推奨されるか?
    • CQ 2 シスプラチンなどの抗がん薬によるAKIの早期診断に新規AKIバイオマーカーによる評価は推奨されるか?
    • CQ 3 がん薬物療法前に水腎症を認めた場合,尿管ステント留置または腎瘻造設を行うことは推奨されるか?
  • 第2章 腎機能障害患者に対するがん薬物療法の適応と投与方法
    • 総説 6 CKD患者に用いる際に用量設定が必要な薬物
    • 総説 7 透析患者に対するがん薬物療法
    • 総説 8 腎移植患者に対するがん薬物療法
    • GPS 1 腎機能に基づくカルボプラチン投与量設定を行うか?
    • GPS 2 維持透析患者へのシスプラチン投与後の薬物除去目的の透析を行うか?
    • CQ 4 透析患者に対する免疫チェックポイント阻害薬の使用は推奨されるか?
    • CQ 5 腎移植患者に対する免疫チェックポイント阻害薬の使用は推奨されるか?
  • 第3章 がん薬物療法による腎障害への対策
    • 総説 9 殺細胞性抗がん薬による腎障害への対策
    • 総説 10 血管新生阻害薬,マルチキナーゼ阻害薬による蛋白尿,腎機能障害,高血圧への対策
    • 総説 11 ネフローゼ,蛋白尿を有する患者へのがん薬物療法
    • 総説 12 免疫チェックポイント阻害薬による腎障害への対策
    • CQ 6 成人におけるシスプラチン投与時の腎機能障害を軽減するために推奨される補液方法は何か?
    • CQ 7 蛋白尿を有する,または既往がある患者において血管新生阻害薬の投与は推奨されるか?
    • CQ 8 抗EGFR抗体薬の投与を受けている患者が低Mg血症を発症した場合,Mgの追加補充は推奨されるか?
    • CQ 9 免疫チェックポイント阻害薬による腎障害の治療に使用するステロイド薬の投与を,腎機能の正常化後に中止することは推奨されるか?
    • CQ 10 免疫チェックポイント阻害薬投与に伴う腎障害が回復した後,再投与は治療として推奨されるか?
  • 第4章 がんサバイバーのCKD治療
    • 総説 13 成人がんサバイバーにおけるCKDの有病率
    • 総説 14 小児がんサバイバーにおけるCKDの有病率
    • 総説 15 がんサバイバーにおける標準的なCKD治療とその注意点
    • 総説 16 成人がんサバイバーに対する腎代替療法の選択
    • GPS 3 CKD合併小児がんサバイバーへの成長ホルモン療法は推奨されるか?
    • GPS 4 小児がんサバイバーに適切な腎代替療法は?
    • CQ 11 がんサバイバーの腎性貧血に対するエリスロポエチン刺激薬投与は推奨されるか?
  • 索引