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忘れられない患者さん

 

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ライフサイエンス選書

忘れられない患者さん 名医たちが語る統合失調症とは

ISBN:978-4-89775-364-5
定価1,980円(本体1,800円+税10%)

ライフサイエンス出版 医療編集室 編

四六判並製222頁
2018年1月22日発売

精神科で人気の名医たちが赤裸々に語るインタビュー集(一部寄稿)。

診断に迷う、治療方針に悩む、これは誤診? 医療制度に腹が立つ! そんなとき百戦錬磨の精神科医たちはどうしてきたか。 医学教科書には載っていない「現場の苦悩と知恵」が満載。 問診の秘訣、難治例、悩み抜いた症例の数々etc.……名医たちはいったい何を語ったのか。

(本書より)
  • いったい全体、統合失調症という病気は治るんでしょうか?(臺弘)
  • 精神科医は本当に切ない仕事ですよ。(北山修)
  • 不思議な治り方をする患者が確かにいる。(中井久夫)
  • 心は病まない。(神田橋條治)
  • 医療に保安的、予防拘禁的な役割を持ち込むのは絶対にいけない。(伊藤哲寛)
  • 薬を飲ませて寝かせているだけなんてアホでもできる。(新井昭紀)
  • 俺は忘れた患者ばっかりだ(笑)。(計見一雄)
  • 「オナラ、ブー!」で緘黙が取れちゃった。(蟻塚亮二)
  • ゼムクリップを飲んだ少年。(野村総一郎)
  • BPDではなく慢性期統合失調症だった。(牛島定信)
  • 病院への出勤は気が重く、夜も思い出しては苦渋を噛みしめた。(原田憲一)

■ 目次 ■

  • 第1章:私の診察技法、問診の秘訣とは
    • Case1:重ね絵のごとく……/中井 久夫
    • Case2:患者さんまかせ/保崎秀夫
    • Case3:握手した手が、温かかった/臺 弘
    • Case4:患者さんが教えてくれた「一目置く態度」/伊勢田 堯
    • Case5:統合失調症雑感/神田橋 條治
    • Case6:あらゆる表現行為が難しく、消耗している患者たち/計見 一雄
    • Case7:統合失調症と診断されずに、転院を繰り返す患者さん/牛島 定信
    • Case8:幻聴が止まない症例を通した希有な体験/中村 純
  • 第2章 思いがけない自死、患者さんを失うということ
    • Case9:20年間、精神科医療と闘ってこられたAさん/安西 信雄
    • Case10:「治す」とはいったい、どういうことなのか/新居 昭紀
    • Case11:青年A君の診察を通じて/加藤 進昌
  • 第3章 治った! 改善した! さまざまな状況からどう回復していったのか
    • Case12:日内リズムに注目し、社会復帰した患者さん/融 道男
    • Case13:周囲の支えで巣立っていった患者さんたち/蜂矢 英彦
    • Case14:旅一座に入った少年/菅原 道哉
    • Case15:自衛隊の医官として診た、ある統合失調症患者の社会復帰/中田 輝夫
    • Case16:「とてつもない逸話」の数々/蟻塚 亮二
    • Case17:私のもとへ何度も戻ってきてくれたA氏/松下 昌雄
    • Case18:40年近く診てきたA氏の喜ばしい転帰/中根 允文
    • Case19:自分の中で疾患概念がガラリと変わった、ある症例/大塚 明彦
  • 第4章 鑑定、難治例、診断、医療制度、悩み抜いた症例の数々
    • Case20:忘れられない患者さんたち、その出会いの中から/佐藤 壹三
    • Case21:精神科医になり、「初期統合失調症」を提唱するに至った症例/中安 信夫
    • Case25:忘れられない患者さん/市橋 秀夫
    • Case26:ヤスパース、クレペリン、そしてある女性患者/南光 進一郎
    • Case27:20年後、あの少年との再会/野村 総一郎
  • 第5章 胸を刺した、あの言葉
    • Case28:一つひとつの言葉が織りなす、患者さんの人生/山本 昌知
    • Case29:或る残遺状態の患者さんとの別れ 「花を飾って欲しい」と言ったAさん/金松 直也
    • Case30:慢性期治療のあり方について教えてくれたYさん/西園 昌久
  • 第6章 患者さんとともに歩んできた道
    • Case31:患者さんたちとともに/山崎 學
    • Case32:患者さんからいただいた感謝状/村崎 光邦