エリオット・P・ジョスリン 糖尿病診療のパイオニア
ISBN:978-4-89775-350-8 C1047
定価1,980円(本体1,800円+税10%)
【著】 ドナルド・M・バーネット(ジョスリン糖尿病センター顧問)
【訳】 堀田 饒(中部ろうさい病院名誉院長)
四六判・175頁
2016年12月発行
■ 日本で初めて紹介されるエリオット・P・ジョスリンの伝記
エリオット・P・ジョスリン医師は,世界最大の糖尿病研究機関である「ジョスリン糖尿病センター」を開設し,「糖尿病診療の父」として広くその名を知られています。今回,その生涯が本書によって日本で初めて紹介されます。
■ 糖尿病診療に携わる,医療関係者や患者さんにぜひ読んでいただきたい一冊
糖尿病は現在でもさまざまな合併症を引き起こす怖い疾患ですが,100年前の,まだ特効薬であるインスリンが開発されていない時代の患者さんの苦しみは想像を絶するものがあります。本書では,ジョスリン医師をはじめとする医療スタッフや患者さんがどのように糖尿病と向き合っていたのか,また,ジョスリン医師の診療に対する厳しさと清廉な人柄等,彼の人生の歩みが,ジョスリン糖尿病センターの医師である著者によって描かれています。
現在,日本の糖尿病患者さんは316万人(2014年厚労省調査)に上り,2011年調査時にくらべ46万人増えており,その数は今後も増加するといわれています。本書は,糖尿病患者さんに接する医療関係者(医師,看護師,薬剤師,栄養士)や,糖尿病の患者さんにも読んでいただきたい一冊です。
目次
- 序文
- オックスフォードからボストンに、そしてヨーロッパに
- 第1章 1906年―最初の住所:ベイ・ステート通り81、ボストン
- ジョスリン医師の診療所
- オスラーの教科書
- ジョスリン医師の初期の論文:1898~1906
- ジョスリン医師の台帳
- 最初の登録:メアリ・ヒギンス
- ジョスリン医師の継続する教育:1910~1930
- 二人のバック・ベイの女性
- 症例8:ジョスリン医師の母親
- 症例596:フランシス・カボット・パットナム
- フレデリック・アレン:糖尿病研究の仲間―旅人
- 若い研究者
- 将来へ向けての大躍進:1914~1916
- インスリンの前夜
- インスリン
- ジョスリン医師の仕事に対するインスリンの衝撃
- 症例2383:ノーベル賞受賞者
- ハリエット・マッケイ、訪問看護師、そしてジョスリン医師の台帳 症例2419
- 患者報告書と患者教育の向上
- インスリンの後遺症
- 患者治療に対する特別プログラムの創作
- 足病変チーム
- 第2章 1934年―2番目の住所:ベーカークリニック,ディーコネス通り,ボストン
- 初期インスリン時代―教科書の第五版
- ジョスリン医師の初期の仲間
- 患者へのメダル
- 第3章 1957年―3番目の住所:ジョスリン通り(広場)15とピルグリム通り170,ボストン
- 賞賛の時
- 優しい別れ
- 変革の嵐
- ジョスリンクリニック
- 論争の時代
- グルコース過剰
- 遺伝の特質
- 大学グループによる糖尿病プログラム
- 妊娠
- 症例14064:ミニエ・K
- ジョスリン医師の勝利
- 1955年:ジョスリンビルディングの開所式
- 誇りにすること―夢が現実のものとなる
- エピローグ:最後の肖像写真