整形外科診療における肺血栓塞栓症
―患者救済と法的問題点
ISBN 978-4-89775-263-1
定価2,310円(本体2,100円+税10%)
【著】
鳥畠 康充(厚生連高岡病院整形外科部長)
冨士 武史(大阪厚生年金病院診療局長・整形外科部長)
B5判,53ページ
2009年5月発行
医事紛争に詳しい弁護士3名を執筆陣に加え、類書ではあまり触れていない「法的問題点」にも焦点を当てている。 患者救済とともに医師の診療環境整備も目的とした、整形外科医必携の書。
「手術は成功した。でも患者は亡くなった。あとに残るのは遺族の怒りと医事紛争だけ……」
――極めて深刻な術後肺血栓塞栓症。予防策は? 医事紛争を防ぐには?
――極めて深刻な術後肺血栓塞栓症。予防策は? 医事紛争を防ぐには?
「もうだいじょうぶ。あとはリハビリをがんばろう」という時期に突然発症し、死に至ることもある肺血栓塞栓症(PTE)。
患者や遺族に大きな衝撃を与えるため、医療過誤問題に発展する場合も少なくありません。
どれだけ予防策を講じても発生率が低下するだけで、発症を根絶することはできません。また、周術期発生率が最も高いにもかかわらず、整形外科医にとっては専門外の循環器疾患であることも問題です。
本書は、そうした整形外科医に対し、「PTEという専門外疾患に惑わされることなく、本来の運動器疾患治療に邁進できる診療環境を再び構築すること」を目的として上梓されました。
■主な内容■
- 【1章】 肺血栓塞栓症の臨床─病因・疫学・予防・診断・治療─
- 肺血栓塞栓症の病因としての深部静脈血栓症─ヒラメ筋静脈の重要性(呂 彩子)
- インフォームドコンセントに役立つ肺血栓塞栓症の疫学(黒岩政之)
- 整形外科周術期における肺血栓塞栓症の予防─薬物的予防法を中心に(藤田 悟)
- 肺血栓塞栓症の診断と治療─疑診段階からの経時的措置(山田典一)
- 【2章】 法的問題点と医療者としての対応
- 医療過誤問題における医療者の対処法(望月 浩一郎)
- 法律家からみた肺血栓塞栓症─医療訴訟例(森脇 正)
- 肺血栓塞栓症裁判の判決文からみえること─患者救済と法的防御の視点から(鳥畠 康充、塩梅 修)
- インフォームドコンセントの重要性 ─まとめに代えて(冨士 武史)