切手にみる病と闘った偉人たち

ISBN：4-89775-214-0 C3047／ISBN：978-4-89775-214-3
定価2,090円（本体1,900円＋税10％）

堀田　饒（ほった　にぎし）（中部労災病院院長）

B5判/64頁/オールカラー/上製
2006年9月発行

チャーチルを重い肺炎から救った薬の真実。
糖尿病に悩み、猟銃自殺を図ったヘミングウェイとインスリンの発見にまつわる逸話とは?
歴史上の偉人とよばれる、文豪、音楽家、政治家たちと医・科学の発見、発展にまつわる背景を、希少な切手を通して描く25編の物語。

「序」より

医学をはじめとした科学の進歩の背景の一端を多くの人々に興味を抱いていただくことは、医師の視点で捉えれば、病気にまつわる諸問題に関心を深めるきっかけともなり、もたらす効果は計り知れないものです。そこで、医・科学とは全く別の世界の人達、しかも歴史上よく知られた人々をストーリーの展開に絡ませることで、医・科学の世界に少しは溶け込みやすい環境を整えることができるのではと考えた次第です。さらに、関連した人物が描かれた切手という媒体を通して物語に接することは、多くの人々に親しみやすくし、興味を抱いていただく上でも有効ではと愚考し、「切手にみる病と闘った偉人たち」を編んでみました。

- 化学療法、ペニシリンの発見-チャーチルとの関わり
- 糖尿病治療、インスリンの発見-一大スクープを逃したヘミングウェイ
- 「精神分析学」と「分析心理学」との訣別-精神分析で癒されたマーラー
- 近代病理学の夜明け-政敵は鉄血宰相ビスマルク
- 近代外科学における甲状腺手術の進歩-心を癒し癒されたブラームス
- 外科麻酔の発展と進歩-貢献大きいヴィクトリア女王
- 病気予防の最初の術、種痘の発見-ナポレオンも称えた偉大さ
- 薬剤開発に寄与した結晶Ｘ線学のパイオニア-学び教えられた鉄の女サッチャー　
- 輸血療法・法医学の発展に貢献大きい、血液型の発見-科学より情に負けたチャップリン
- わが国に西洋医学を開花させた先駆者たち-夢を挫いたペリー提督
- 血管外科と臓器移植のパイオニア-機械工学の知識を生かしたリンドバーグ
- 生命に不可欠な微量栄養素、ビタミンの発見-ノーベル賞を逸した鈴木梅太郎
- 合成ワクチンへの道を拓いたポリオとの闘い-ポリオを克服したルーズベルト
- 客観的診断を可能とした聴・打診の発明-村人に診断されたショパン
- 身体機能を機械の言葉に翻訳した心電計の発明-心臓病学の発展に貢献大きいアイゼンハワー
- マラリアの原因と治療薬の探求-ルイ14世を虜にした秘薬
- 「海のペスト」壊血病とビタミンＣの発見-万能薬としたポーリング
- 近代微生物学の道を拓いた偉大な先駆者-細菌学に終生拒否反応を示したファーブル
- 近代の「精神病学」と「神経病学」の誕生-病的心理を内面から描写したモーパッサン
- 近代生理学の夜明けと実験医学の創始-感化された文豪ゾラ
- 白いペスト、結核との闘い-夭折を余儀なくされた樋口一葉
- 進化論を軸に発展した生物学と遺伝学-自然界の現象を神から解放したダーウィン
- 生命科学への道、DNAの発見-科学の発展に関心を抱いたダリ
- 「体液病理学説」から変遷と発展の「内分泌学」-ケネディを蝕んだアジソン病
- 眼科学に進歩を斉した検眼鏡の発明と白内障の手術-糖尿病と白内障に苛まれたド・ゴール

切手にみる病と闘った偉人たち

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