心房細動の管理において,心原性脳梗塞の予防がもっとも重要であることはいうまでもない。この目的のために,血栓塞栓症リスクを有する例には抗凝固療法が推奨され,長くワルファリンのみに依存してきた。しかしながら,2011 年のダビガトラン,2012 年のリバーロキサバン,2013 年のアピキサバン,そして2014 年のエドキサバンの発売(または効能追加)により,治療方法は大きく見直されつつある。ダビガトランのRE-LY 試験,リバーロキサバンのROCKET AF 試験(J-ROCKET AF 試験),アピキサバンのARISTOTLE 試験,エドキサバンのENGAGE AF-TIMI 48 試験の結果を受け,各国のガイドラインは新規(非ビタミンK拮抗性)経口抗凝固薬(NOAC)を最適または処方すべき薬剤として位置付けている。わが国の「心房細動治療(薬物)ガイドライン2013 年改訂版」にも,同等の適応を有する場合NOAC がワルファリンよりも望ましいと記載されている。
ではその根拠は何であろうか。抗凝固療法では,血栓塞栓症予防とともに出血性合併症を可能な限り回避することが求められる。すなわち抗凝固と出血予防という,相反する命題に挑まなければならないのである。このジレンマに対してNOACとワルファリンを比較し,ガイドラインの拠り所となるエビデンスに基づいて,専門家に見解を述べていただく。
企画:奥村 謙
Opinion:是恒之宏
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