急性心筋梗塞における再灌流傷害を防ぐことは可能か?

急性心筋梗塞に対する再灌流療法により,急性期の死亡率は急激に減少した。しかし,急性期の死亡率の減少とともに,その後に慢性心不全を発症する人口が増加している。

これは,再灌流は急性期の予後改善をもたらすが,梗塞サイズ縮小が十分なされていないために,リモデリングをきたして心機能悪化へのプロセスが予防できていないことによると考えられる。長期的な予後改善には,急性期に再灌流による梗塞の進展防止だけでなく,さらなる心筋救済を目指した治療が望まれる。これまで動物実験では,再灌流によるさまざまな機序で,救済されるべき心筋が逆に壊死に至る,いわゆる再灌流傷害が示されていたが,臨床的には疑問視されてきた。しかし現在,ステントにより確実に再灌流が可能になったことで,再灌流傷害を防ぐことにより梗塞サイズは縮小が可能なのか否かについて注目されるようになってきた。

本稿では,再灌流傷害抑制に有効とされる薬剤のエビデンスについて検証していただくとともに,今後の「再灌流傷害の予防」の可能性について言及していただく。

企画:平山篤志
Opinion:木村一雄
Second Opinion:朝倉正紀
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CORE JOURNAL no.5 2015 春夏号
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2015年4月刊行NEW

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ISBN: 978-4-89775-334-8

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