心不全におけるナトリウム摂取をどう考えるべきか?

心不全において,水分制限と塩分制限はセットで患者指導されることが多いが,そのエビデンスはほとんどない。国内外のガイドラインでもその記述は一定していないうえに,末期心不全では減塩を厳しくすると食欲がさらに減退し,低栄養を助長する可能性がある。したがって実臨床では末期に塩分制限を緩和することも行われる。

また末期心不全患者では低ナトリウム血症が認められるようになり,これは予後不良因子となる。体液貯留により希釈性の低ナトリウム血症が生じたと考えられるため,やはり教科書的には水分貯留の原因となる塩分の経口摂取を制限することが奨められている。その一方で,最近フロセミド+高張食塩水の静脈投与がフロセミド単独よりも利尿効果に優れるという報告も散見される。高張食塩水を追加すると血管内の浸透圧が上昇するために血管外の水分が血管内へ移動するという機序が考えられるが,高張食塩水を静脈投与することにより腎機能が保持され,血中ナトリウムも正常化するのではないかと考察されている。さらに現在臨床使用されているバソプレシンV2 受容体拮抗薬(AVP 受容体拮抗薬)トルバプタンは,利尿作用を発揮しつつ低ナトリウム血症を是正するという特徴をもつ。現時点において,心不全患者におけるナトリウム摂取をどのように考え,どのように実臨床に反映すべきなのだろうか。

企画:佐藤幸人
回答:廣谷信一
VOICE:Terry A. Lennie
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no.4 2014 春夏号

2014年2月刊行

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