超急性期脳梗塞に対するt-PA(アルテプラーゼ)静注療法は,わが国では2005 年以降,発症後3 時間以内の脳梗塞患者の血栓溶解療法として保険診療が可能となっている。その後2012 年8 月には,欧米での大規模臨床研究の結果を受け,治療可能時間が4.5 時間以内まで延長された。しかし,t-PA 静注療法には厳格な適応制限があるため,現状では脳梗塞全体の5%程度にしか投与されていない。このようななかで,発症後8 時間以内でのt-PA 静注療法の無効例や非適応例に限り,脳血管内治療で用いる機械的血栓回収デバイスが承認されている。われわれ専門医は脳血管内治療に大きな期待を寄せているものの,2013 年に入り,機械的血栓回収療法を含む脳血管内治療は,t-PA 静注による血栓溶解より優越性がないという臨床試験結果が立て続けに報告されている。
急性期脳血管内治療は,本当にt-PA 静注療法単独よりも有効性が低い治療法なのだろうか?われわれはこれらの臨床試験の結果をどう解釈し,日常診療へ結び付けていくべきであろうか?
企画:卜部貴夫
回答:山上 宏
VOICE:吉村紳一,Joseph Broderick
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