2 型糖尿病患者は,心血管疾患のために寿命が数年以上短縮するといわれている。合併症予防のための糖尿病治療の基本は食事療法と運動療法であるが,前者に関しては,インスリン抵抗性を助長する肥満の改善や動物レベルでの寿命延長効果のエビデンスなどから,カロリー制限がわが国でも国際的にも主流である。
近年,血糖値や脂質パラメータあるいは体重などを指標にして,カロリー制限食と,糖質制限食や地中海食を比較する臨床試験や疫学研究も盛んになってきている。しかし,心血管イベントの予防に関する効果については,サンプルサイズや観察期間・経費などが膨大となることから十分には検証されてこなかった。最近になって,心血管イベントの抑制効果をエンドポイントとして,食事療法の効果を検証する大規模臨床試験が発表されてきている。
食事療法は,個人や民族・地域の食文化や伝統を勘案しなければ継続性が望めないものであるし,個人あるいは民族間での遺伝子レベルあるいはエピジェネティックスな要素もその効果に影響を与える可能性もある。多面的な考察が必要とされる食事療法について,われわれ医師は現時点でどのような方針をとるべきなのか。
企画:植木浩二郎
回答:星野 慈,宇都宮一典
VOICE:山田 悟,Robert H. Eckel
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