高リスク患者では,スタチンによるLDL-C 低下療法が冠動脈疾患ならびに脳卒中をも抑制するというメタ解析が発表され(Cholesterol Treatment Trialists’ (CTT) Collaboration. Lancet. 2010; 376: 1670-81.),その有効性はほぼ確立されていることから,スタチンなどによる厳格な薬物治療が勧められる。一方低リスク患者では,食事・運動・禁煙などの生活習慣の改善がきわめて重要であり,治療の中心を占めることになることは異論のないところであろう。脂質異常症の治療は予防医学であり,薬物治療においてはメリハリのついた判断が必要とされる。
しかし,低リスク患者において,必ずしも生活習慣の改善が十分でなく,LDL-C 値も目標値に達しない患者も多く認められるのも事実である。このような場合,場合によってはスタチンによる治療も考慮されるが,そこにはどのレベルのclinical evidence があるのだろうか? また,わが国においてはどう考えるべきなのだろうか? ここでは,現時点で,低リスク患者におけるスタチン治療の正当性について専門家の見解を述べていただく。
企画:寺本民生
回答:塚本和久
VOICE:Nothan D. Wong, Stephen L. Kopecky
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