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脳伷塞再発予防の抗血栓療法は臨床病型に則して選択される。非弁膜症性心房細動を原因とする心原性脳塞栓症に対しては抗凝固療法を行い,脳主幹動脈狭窄病変を原因とするアテローム血栓性脳伷塞に対しては抗血小板療法を行う。脳伷塞の原因が単一の発症基盤の場合は,抗凝固薬や抗血小板薬は単剤で使用されるが,再発例やアテローム硬化病変と非弁膜症性心房細動を有する場合は抗血栓薬を併用することが多い。強力な抗血栓療法により再発イベントは抑制される反面で,出血合併のリスクが問題となってくる。さらに欧米人に比較し,日本人は出血合併が多い民族であることも明らかとなっており,わが国における脳伷塞再発抑制に対する有効かつ安全な抗血栓薬の選択が重要である。
われわれは日本人における抗血栓薬の併用による出血リスクのエビデンスを十分に理解し,適切な薬剤選択を行うことが必要である。では,抗血栓薬の出血リスクをどのように理解し,具体的にどのような治療を行うべきなのだろうか。