かつて心房細動は弁膜症に伴う不整脈であったが,高齢化や生活習慣の変化とともに非弁膜症性心房細動が急速に増えた。わが国でも約200万人存在するといわれ,その数は今後さらに増加すると予測される。心房細動においては,抗凝固薬により心原性脳塞栓症を予防することが重要である。一方,原因を同じとする冠動脈疾患も増加しており,当然両者の合併症例が多くなりつつある。冠動脈疾患の二次予防には抗血小板薬投与が,さらにステントで治療された患者にはアスピリンとチエノピリジン系抗血小板薬の2剤投与(DAPT)が必要であるとされている。
抗凝固療法とDAPTによる出血性副作用と脳伷塞,心筋伷塞の予防効果を天秤にかけながら,はたして抗血小板薬1剤に抗凝固薬を追加すべきか,DAPTと抗凝固薬の3剤併用はどうか,いつまで治療を継続すべきか,など多くの臨床的な疑問が残されている。これまで抗凝固薬の標準であったワルファリンの効果を凌駕する新規抗凝固薬が使用される状況で,われわれは疾患が複合する患者をどのように治療すればよいだろうか。
企画:平山篤志
回答:中島誠子,中川義久
Voice:山下武志
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