薬剤溶出性ステント(DES)の登場により経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の再血行再建術の施行は減少した。しかし,DESによる急性冠閉塞および亜急性血栓性閉塞の頻度はベアメタルステント(BMS)と変わらないものの,BMSでは認められなかった30日以後から1年までのlate thrombosis,さらに1年以後のvery late thrombosisが発症することが明らかになった。これはDESによる内皮形成の遅延のためであることが病理所見から示唆されている。
このvery late thrombosisの原因の一つとして,アスピリンとチエノピリジン系抗血小板薬の2剤投与(DAPT)の中止が考えられている。DAPTを長期に継続することができればよいが,長期のDAPTは出血性リスクを増加するため脳血管障害や消化管出血の原因となる可能性がある。また,消化管の内視鏡検査や手術時には中止する必要がある。DES留置後,DAPTは現実にいつまで継続する必要があるだろうか,また,DAPTと血栓症の発症との関連についてはどう考えればよいのか。
(企画:平山篤志)
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