血行再建術として薬剤溶出性ステント(DES)を用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が広く行われるようになり,PCIの重大なアキレス腱であった再狭窄は減少した。そのような状況のなか,依然として非保護左主幹部病変に対するPCIはガイドライン(日本循環器学会学術委員会合同研究班. Jpn Circ J. 2000; 64 suppl IV: 1009-22.)で禁忌とされている。しかしながら,冠動脈バイパス術(CABG)も術後の脳梗塞の発症を考慮すれば必ずしもリスクが低い治療とはいえず,ハイリスク患者における血行再建についてはいまだ議論の残るところではある。一方で,抗血小板療法の導入により急性冠閉塞が激減し,再狭窄もDESの導入により減少したことにより,PCIによる血行再建はリスクや合併症が少ないことが期待される。事実,非保護左主幹部病変に対するPCIは,臨床的にも高齢者や合併症で手術リスクの高い場合には,選択される場合もある。
現在,非保護左主幹部病変に対する血行再建の手段として,CABGとDESを用いた比較試験が行われている。われわれは,リアルワールドでどのような選択をなすべきなのか。
(企画:平山篤志)
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