世界の心臓を救った町─フラミンガム研究の55年─
世界の心臓を救った町−フラミンガム研究の55年
■監 修■
寺本民生(帝京大学医学部内科教授)
■取材編集協力■
The Framingham Heart Study
Thomas R. Dawber, MD, MPH(初代ディレクター)
William B. Kannel, MD, MPH(第2代ディレクター)
William P. Castelli, MD, MPH(第3代ディレクター)
Daniel Levy, MD(現ディレクター) ほか
出雲 正剛(ハーバード大学医学部内科教授)
上島 弘嗣(滋賀医科大学福祉保健医学講座教授)
桑島 巌(東京都老人医療センター内科部長,東京医科大学客員教授)
築山久一郎(国際医療福祉大学附属熱海病院内科教授)
堀 正二(大阪大学大学院医学系病態情報内科学教授)
定価(本体2,400円+税)
ISBN 4-89775-192-6
ISBN 978-4-89775-192-4
A5版全220ページ
オリジナルフローチャート・年表付き
2004年6月発行

なぜFramingham Heart Study(フラミンガム研究)は
世界中の臨床に影響を及ぼすものと成り得たのか?
循環器疾患の予防医学・臨床疫学の礎,フラミンガム研究の知られざる全貌が今,明らかに。

1948年の研究開始以来,「リスクファクター」,「マルチプルリスクファク ター」,「多変量解析」, 「収縮期血圧の重要性」,「高値正常血圧」・・・,フラミンガムから発信された知見は膨大です。 研究開始当時の事情から現在までを,関係者の 証言を織り交ぜながら発表されたエビデンスをまとめました。 これまであまり知られていなかったフラミンガム研究の全容がみえる貴重な書です。

 ■ 主な内容 ■
◆第1章 フラミンガム研究のはじまり

1948年,アメリカ―/国家の命運を賭けて/前向きコホート研究の利点/フラミンガムという町/ トーマス・ダウバーの誤算/多岐にわたる解析項目/オリジナルコホートの参加者

◆第2章 住民とのコラボレーション

参加者はこの世界の「王」である/冠動脈疾患の診断区分の決定/研究当初に提出された11の仮説/ データの集積を待ち続ける日々/高い追跡率と参加者コーディネーター/第2のコホート研究・Offspring Study/フラミンガム研究続行の危機/研究の背景にあった技術革新/ 初めて疫学に応用された多変量解析/フラミンガム研究で「介入」はどう扱われたか

◆第3章 集積されていくエビデンス

三大危険因子の発見・同定へ/収縮期血圧へのパラダイムシフト/高齢者高血圧/ 「高値正常血圧」の衝撃/高血圧から心不全へのプロセス/コレステロールと冠動脈疾患/ 予測因子としてのLDLコレステロール,HDLコレステロール/喫煙と動脈硬化の進展/女性における糖尿病のインパクト/ 心血管疾患リスクの性差/ライフスタイルと心血管疾患/マルチプルリスクファクターという到達点

◆第4章 社会に波及する研究成果

フラミンガム研究が促した介入試験/治療ガイドラインへの反映/マルチプルリスクファクターへの誤解/ 全米コレステロール教育プログラム(NCEP)/米国高血圧教育プログラム(NHBPEP)/予防医療の最前線・FCI(Framingham Cardiovascular Institute)/タバコ撲滅へ/アメリカ国民への贈り物/少数民族コホート・オムニスタディ/ 第3世代コホートの登録開始

◆第5章 未来へ進化する疫学研究

世界はフラミンガム研究の恩恵を受けている/フラミンガム研究の未来と限界/アメリカの抱えるジレンマ/ 日本の子どもたちに迫る危機/日本発の疫学研究の可能性/ダイナミックフィードバックシステム/終わりに