その一線,越えたらアウトです!コピペしないレポートから始まる研究倫理
その一線,越えたらアウトです!コピペしないレポートから始まる研究倫理
■ 著 者 ■
上岡 洋晴
(東京農業大学大学院農学研究科環境共生学専攻 教授)
ISBN978-4-89775-352-2 C-3040
A5版 84頁 本文2色刷/表紙4色刷 
2016年12月発行
定価 (本体1,500円+税)
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かごにいれる

人は,組織は,どうして不正してしまうのだろう?
知らないうちにルール違反!その前に。
(著者より)
大学に入学したらまず読んでほしい・ ・ ・
大学教員からの,切実な思いが詰まった一冊です。

【序文】
「コピペをしないレポート作成から始まる研究倫理」,読者は最初に頭にクエスチョンマークが浮かんだことでしょう。端的に述べると,次の大事なABCを伝えることを目的に執筆しました。大学生,大学院生,若手研究者にぜひ読んでいただきたい本です。

 A. 「 レポートの書き方と作法を教えます」(文章の書き方)(引用の仕方)
 B. 「 卒論・研究論文の書き方と作法・ルールを教えます」
 C. 「 研究における道徳心をもった美しいあなたに次世代を託します」

 大学生になると数多くのレポートが課せられ,四苦八苦するものです。「書くことが苦手」「何を,どのように書けばよいかわからない」という人は多いことでしょう。実は先生方も提出されたポートを見て大きく二つの点で苦悩しています。誤字脱字のオンパレード,主語と述語が一致しておらず文の意味がわからない,ロジックがない,稚拙な表現など,「国語力そのものの問題」がひとつ目です。もうひとつが,「コピペという立派な盗用(知的財産の泥棒)」についてです。仮にフォントを統一し,上手く文脈の前後を合わせても,学生の普段の能力を見ていると,「こんな文章は書けないだろう」とすぐにわかるものです。  本書では,これら二つの問題を同時に解決するための術をまとめています。適切なレポートが書けるようになること,その先にある卒論や研究論文を特有の作法やルールを守りながら仕上げられるようになるために,理解しやすい例を挙げて丁寧に説明をしています。

 ところで,残念なことに研究不正に限らず,社会不正に関する報道も毎日のようになされています。平成28年9月5日には,日本医学会連合研究倫理委員会は,「日本の医学部発の研究はなぜ信用を失ったか? 信頼回復に向けての指摘と提言」という鮮烈なタイトルでの提言書を出し,国レベル,大学等研究機関レベルでの研究倫理教育の徹底を述べています。研究に関与する者においては,分野を問わず,待ったなしで倫理教育の必要性に迫られています。

 本書では,「人は,組織は,どうして不正をしてしまうのだろうか?」という素朴な疑問の解決から始まり,様々な不正行為事例の確認,不正となる陥りやすい行為,絶対行ってはいけない行為も平易に解説しています。これらを通じて,「研究する者としての道徳心」を身に付けていただくことが本書の最終目的であり意義だと考えています。

 本書を読み終えた若い読者が,「清く,正しく,美しく」ブレない倫理観をもち,社会のため,人々のために研究分野や実業界などで次世代の優れた担い手として大いに活躍されることを願っています。

 ■ 本書構成 ■
第1章 はじめに

1. なぜ,レポートはそんなに大事なのか?

   column 1 ● 仕事はスピードと精度が大切

2. レポートと研究倫理はどう関係するのか?

3. 実験・実習と研究倫理はどう関係するのか?

4. 悪いことをしなければいいだけのことなのに,なぜ研究倫理という難しいことを学ぶのか?

5. なぜ,人は不正をしてしまうのか?

   column 2 ● パブリケーション・バイアスと臨床試験登録制度

第2章 ビギナー,フレッシュマンのためのレポート・レッスン編

1. レポートと論文の違いは?

2. レポートの基本構成は?

3. 論理(ロジック)をどのように整えるか?

4. 論理的な展開にするための接続語とは?

5. 自他の意見の区別とは?

6. 適切な引用先とは?

7. 参考(引用)文献の具体的な書き方は?

8. 文章表現上の基本事項

   column 3 ● スマホと手帳と議事録

第3章 シニア編

1. 研究における三大不正行為とは?

2. 日本で起きた研究の不正行為例

   column 4 ● 機能性表示食品制度とその世界初と称される優位性

3. 世界における研究論文の不正行為

4. やろうと思えばいつでもできる捏造?

5. やろうと思えばいつでもできる改ざん?

6. やろうと思えばいつでもできる盗用?

7. 身を守るためにも実験ノート

8. データの管理

9. 先行研究を読まなければすべて新発見?

   column 5 ● システマティック・レビュー

10. 卒論等での得られた結果の入念な点検

第4章 エキスパート編

1. 一人前の研究をするためには? 研究者になるためには?

2. 研究の倫理規範とは?

3. 共同研究での注意点は?

4. オーサーシップとは? やってはいけないギフト・オーサー,ゴースト・オーサーとは?

5. 実験実習費・研究費は血税から?

6. いろいろな研究分野の倫理審査とは?

   column 6 ● 機能性表示食品の届出内容と企業倫理

7. 自己盗用,重複出版とは?

8. 利益相反とは?

   column 7 ● 専門的に研究倫理を学ぶためのe-learning

第5章 おわりに

引用文献

参考文献


イラスト 八重樫チヒロ